COVID-19について
全然専門外なので、国が言うように感染対策を個々人がやっていくしかないと思う。
医療者として、手洗いの回数は普段から多いが、最近はさらに増やしている。
で、今お金を使うべき業種は、マスク製造、消毒液製造、清掃会社ではないかと思う。
病院で勤務していると、看護師が清掃に加わったりしているのを見るが、そうではなく、
クビになった、とか、営業自粛でヤバイ、とか言うのであれば清掃会社にバイトでもいってお金を稼ぐのがよいのでは?と思う。病院も清掃会社の人が多ければ、換気回数も増やせるし、手すりなどの触れるところの消毒も回数増やせるし。。
看護師に清掃・消毒をさせるのではなく、彼ら彼女らには医療看護に専念して欲しいですね。
衛生環境の保持が重要だというのは明らかなのだから、危機的業種を一旦ストップして、その人材を清掃分野にうつせば良いのではないかなぁ。
清掃会社が払うべき人件費を政府が負担すればいいんじゃないの。
難しいのかなぁ、、そういうのが。
もちろん、一次産業や運送業は国の要なので、引き続き頑張ってください。
卵巣粘液腫瘍
Blaustein’s pathology of the female genital tract 6th edition から
卵巣に粘液産生腫瘍があれば、卵巣原発?消化管由来?(虫垂が最多。その他結腸や膵臓、胃などがあるみたい。乳腺も一度調べておく方がベター。子宮頸管という可能性もある。。)
術前評価としては、卵巣のサイズ、両側性が片側性かで区別できるくらい?
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虫垂由来→悪性度で予後が大きく変わる
術中所見
下記の両方とも、虫垂由来であれば90%に両側性に卵巣腫瘍を認める。
・low grade mucinous neoplasm
ゼリー状の粘液が大量に骨盤、腹部に認めることを特徴とする。=pseudomyxoma peritonei
腹膜にも粘液産生腫瘍が認められる
卵巣のサイズは平均15cmくらいで多房性を示す
・carcinoma
卵巣の平均サイズは11cmくらいで充実成分を認める。嚢胞性病変を認めることもあるので、嚢胞性病変があるからといって否定はできない。
組織学的に
・low grade mucinous neoplasm(WHOから)
大量の細胞外の粘液産生を認め、粘液産生上皮細胞が不規則に配列している。また不完全な管腔構造を示し、基底膜を折り曲げている像を認める(間質へ浸潤しないから??)
・carcinoma(WHOから)
goblet cell carcinoidのような巣状構造を呈し、signet-ring cell分化をします
<adenomucinosisiとcarcinomatosisの違い/悪性度による違い>(Blausteinから)
<卵巣原発か、卵巣以外原発で卵巣が巻き込まれているか、の違い>(Blausteinから)
<免疫染色と原発>(WHOから)
卵巣原発の場合はKRAS mutationが多い。HER2も15-20%みられるからチェックを
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卵巣原発の粘液性癌は細胞質内に粘液貯留が多くみられる。
・疫学
卵巣癌の3-4%を占める。大体は卵巣腫大で気づかれてくるので、進行した状態で見つかることは稀
・術中所見
でかい、片側性、充実部と嚢胞部を認める腫瘍。表面が腫瘍で侵されているのはあまりない。
・病理所見
卵巣原発であれば境界悪性や異型を伴う粘液腫瘍を認め、それらの連続性が認めることが多い。また、発生母地として奇形腫やブレンナー腫瘍である。そのため、そのような像があれば卵巣原発を疑う。連続性があるので、一番悪性度が高いのがどこかを見つける必要がある
特徴的な組織像( WHOから)
confluent glandular patternを認めると予後良好
ー規則正しくお利口さんに浸潤している感じがします
destructive stromal invasionがあると予後不良
ー右下の粘液産生腫瘍がバラバラになって間質浸潤している様子。バラバラは悪いよね。。
anaplastic carcionma(anaplastic mural nodulesを含んでいる)があれば予後は比較的良好
ー真ん中のspindle cellがanaplastic mural nodulesらしい。
組織の写真を載せたかったですが、容量いっぱい??でダメでしたので、WHOをご参照ください
子宮筋腫とDVT/PE
そういえば、以前発表で子宮筋腫とDVTの関係について調べたのであった。
発表では時間が足りなくて、調べたことを全部出せなかったので、こちらで報告してみる。
<子宮筋腫とDVTって本当に関連あるのか?っていう話>
意外とあるのですよね、、
1,Ann Vasc Surg 2018; 46: 370.e9-370.e12
https://doi.org/10.1016/j.avsg.2017.08.046
53歳 特に既往歴なし、血栓リスクなし CC10日前からの下肢腫脹
CTで左大腿静脈に血栓あり。子宮が腸骨静脈圧迫所見あり。IVCフィルター留置、左大腿静脈を拡張術施行、左総腸骨、外腸骨静脈にステント留置。その後クロピドグレル内服。子宮全摘術施行して、改善
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2, Am J Case Rep, 2014; 15: 300-303 DOI: 10.12659/AJCR.890607
(Huang HK et al : Increased Risk of Venous Thromboembolism in Women with Uterine Leiomyoma: A Nationwide, Population-Based Case-Control Study. Acta Cardiol Sin. 2018 Jan;34(1):66-76.)
HPVと膣細菌叢
HPVのワクチンは子宮頸癌の予防に有効なのは有名な話。しかし、副作用で日本では使用が少ないのは残念なこと。
HPVの感染と膣細菌叢のバランス不全(つまり、細菌性膣症)が関係あるのではないの?という研究
*********今回の論文************
Vaginal dysbiosis and the risk of human papillomavirus and cervical cancer: systematic review and meta-analysis
American Journal of Obstetrics & Gynecology JULY 2019
- 膣における細菌叢のバランス不全はHPV感染、持続感染、dysplasiaの形成に関連がある可能性がある。
- 子宮頸がんはhigh income countriesにおいては予防できる癌になっている。大部分の女性は少なくとも1回は1つ異常のHPVに感染を経験することとなる。しかし、その感染が前癌病変や浸潤癌にまで至るまでの持続感染を示すかどうかは各個人に依っている。
- このことから、HPV以外になにか因子があるのではないかと考えられている。その一つとして膣のdysbiosisが可能性として考えられている。
- HPVに感染リスクとしてはSTIと同じではあるが、HPVに対する感受性や易感染性についての、遺伝的背景、ホルモンバランス、粘膜表面の細菌叢、粘膜免疫などといったことに対する理解は得られていない。
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- Lancet Infect Dis.2010 Dec;10(12):862-74. doi: 10.1016/S1473-3099(10)70190-0. Epub 2010 Nov 11.
- Factors affecting transmission of mucosal human papillomavirus.
細菌性膣症はHPV罹患率を1.3倍あげる
細菌性膣症はHPVの持続感染を引き起こす??1.14倍ってどうよ
dysplasiaが進行しやすいのか。。
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しかし、dysbiosisがなければ予後がいいのか?完全にいいというには結果に乏しい印象がありますな。
また、dysbiosisを改善したら、HPVの感染状態が改善するのか?細胞診も改善するか
フラジール投与してみるか。。
まぁ、でも細菌性膣症は百害あって一利なしなので治療するに越したことはない
膣細菌叢バランス異常はHIVをはじめとするSTIのリスク、PIDのリスク、早産のリスクを上昇させる。
Res Microbiol. 2017 Nov - Dec;168(9-10):859-864. doi: 10.1016/j.resmic.2017.02.003. Epub 2017 Mar 1.
The global health impact of vaginal dysbiosis.
STIC/STIL
STIC/STILについて調べる必要があったので、手当たり次第に調べてみた。
特にガイドラインがないので、論文をランダムに読んでまとめてみた。
この数年で論文が増えているので、そろそろガイドラインができるかもしれないが、今のところはEXPERT OPINION止まりの様子。
間違い等ある可能性ありますので、参考にされる場合には元論文を参照ください。
学び〜統計と宗教
(http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/kouza/)
これに夏休み通っている。違う分野であるが、高校時代にすきだった分、とてもワクワクしている。やはり数学出来る人は頭いいな、と思ってしまう。
さて、この講座を聴きに行く意味としては
・大学の数学が現実世界に如何にリンクしているのかを知る
・知的好奇心の刺激
が僕の中では強い。
しかし、周りの人を見てみると、一生懸命ノートを取ったり、写真を撮ったり。。
バックグラウンドを知らないので一概には言えないのだが…
「それ、後で見直すのか??」
何の為にしているのかが皆目検討が着かない…
“何かを学ぶ”と言った時に大きく二方向のやり方が今の僕には身に付いている
1、自分の専門の勉強する時に行う「いかに実用に」という視点
2、専門外の本を読んだり話題を聞いた時に「リンク」や「アナロジー」の想像
高校時代までは1の要素が強いような気がする。
この時に重要なのは(多分受験生など見ていないだろうが)
知識は覚えなければならない、しかし、実用できる形で!
ここで、分野によって、覚えてから実用か、有る程度使いながら覚えるか、が変わるが本質的には一緒
数学では公式を覚える前に、導入方法や解き方を理解→覚える(というか勝手に覚える)
英語では単語、構文を覚える→英作や会話で使う
ここで重要なのは「どっちも覚えなければならないし、どっちも実用に耐える形で理解する」こと
今回の講義では講義を聴いていれば「理解」は出来るが、それを如何に自らと関連させて、そしてその関連の内容を「抽出」し「記憶に留めるか」
最終的に「覚え」なければこの一週間を無駄にするだろう(論理思考するのは楽しいからいいのだが)
ところで、題の「統計と宗教」だが
色々本を読んだり話を聞いていると、
宗教の人は「信仰心」というか「信じる力」が強い
それは兎にも角にも「意志力」に繋がっているのだろう
昔の偉人や、現代の宗教戦争を考えると、宗教による意志力の増強作用はよく見られる
一方で、今流行の統計、とりもなおさず医学、医療は
相対主義であり、「正しい」と思われることのは、現在の視点であり、1つの見方であるという思想が根強い
一般の人からすると相対主義は理解できても「気持ち悪い」と感じるものである(僕もそう)
まぁ、こんな事を考察していても詮無きことであるのは変わりないので
子供の様に好奇心旺盛であるが、身を修め、知を得て、智を開く
ことを目指さなければ
医学教育
明日でメジャー科のポリクリが終了。
長い期間であった。何を学んだかと聞かれると、
・それぞれ科が異なると全く違う点を重要と見ていること
・注目する身体所見や検査値が違うこと
・それぞれの科の代表疾患についてのイメージは持てた
・やっぱり病院には高齢者がほとんど
ポリクリをまわってやはり産婦人科医になりたいという気持ちが強くなった。旅に出ながら医者出来るような科がいいな。
さて、学年の有志の人が医学教育を考えるということで、アンケートを取っている。
こういうのは主体となるひとは楽しいのだろうけど、別に「アンケート取られているだけの人」にとってはそもそも面倒に感じるだけ。
かといって、全員が参加して医学教育を考えられるわけがない。(船頭多くして、ってやつで)
僕が本当に積極的に関わるなら、「アンケート」ではなく、「皆と個人的に飲みに行ってさしで話を聞く」を選択するけど、、
でも、この前友達と話していて「大学全寮制」と「外国人留学生枠を設ける」は良いと思う。今の大学は学習面に関しては高校の教育過程と基本同じである気がする。
もちろん、時間がたっぷりあるので、自分の好きな勉強に時間が割けるが、これ自体は高校時代にもやってるし、大学の環境だからこそ!ってところがないな。
まぁ、個人的には飲食のバイトを続けていて、剣術の稽古が出来て、親の目の届かない所で旅行に行けているのは「大学生活」という感じだが。
さて、ProjectEulerの問題を解きながら、自分の課題を発見
・自分で疑問を作らないから、外から問題を貰わないとプログラミングして遊ぼうと思わない…
問題設定→解決への道を考える→足りない能力を補う、検索→一歩すすみ
の最初がないというのはどうしたらよいのやら