卵巣粘液腫瘍
Blaustein’s pathology of the female genital tract 6th edition から
卵巣に粘液産生腫瘍があれば、卵巣原発?消化管由来?(虫垂が最多。その他結腸や膵臓、胃などがあるみたい。乳腺も一度調べておく方がベター。子宮頸管という可能性もある。。)
術前評価としては、卵巣のサイズ、両側性が片側性かで区別できるくらい?
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虫垂由来→悪性度で予後が大きく変わる
術中所見
下記の両方とも、虫垂由来であれば90%に両側性に卵巣腫瘍を認める。
・low grade mucinous neoplasm
ゼリー状の粘液が大量に骨盤、腹部に認めることを特徴とする。=pseudomyxoma peritonei
腹膜にも粘液産生腫瘍が認められる
卵巣のサイズは平均15cmくらいで多房性を示す
・carcinoma
卵巣の平均サイズは11cmくらいで充実成分を認める。嚢胞性病変を認めることもあるので、嚢胞性病変があるからといって否定はできない。
組織学的に
・low grade mucinous neoplasm(WHOから)
大量の細胞外の粘液産生を認め、粘液産生上皮細胞が不規則に配列している。また不完全な管腔構造を示し、基底膜を折り曲げている像を認める(間質へ浸潤しないから??)
・carcinoma(WHOから)
goblet cell carcinoidのような巣状構造を呈し、signet-ring cell分化をします
<adenomucinosisiとcarcinomatosisの違い/悪性度による違い>(Blausteinから)
<卵巣原発か、卵巣以外原発で卵巣が巻き込まれているか、の違い>(Blausteinから)
<免疫染色と原発>(WHOから)
卵巣原発の場合はKRAS mutationが多い。HER2も15-20%みられるからチェックを
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卵巣原発の粘液性癌は細胞質内に粘液貯留が多くみられる。
・疫学
卵巣癌の3-4%を占める。大体は卵巣腫大で気づかれてくるので、進行した状態で見つかることは稀
・術中所見
でかい、片側性、充実部と嚢胞部を認める腫瘍。表面が腫瘍で侵されているのはあまりない。
・病理所見
卵巣原発であれば境界悪性や異型を伴う粘液腫瘍を認め、それらの連続性が認めることが多い。また、発生母地として奇形腫やブレンナー腫瘍である。そのため、そのような像があれば卵巣原発を疑う。連続性があるので、一番悪性度が高いのがどこかを見つける必要がある
特徴的な組織像( WHOから)
confluent glandular patternを認めると予後良好
ー規則正しくお利口さんに浸潤している感じがします
destructive stromal invasionがあると予後不良
ー右下の粘液産生腫瘍がバラバラになって間質浸潤している様子。バラバラは悪いよね。。
anaplastic carcionma(anaplastic mural nodulesを含んでいる)があれば予後は比較的良好
ー真ん中のspindle cellがanaplastic mural nodulesらしい。
組織の写真を載せたかったですが、容量いっぱい??でダメでしたので、WHOをご参照ください